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 関住協の定期総会後、集合住宅維持管理機構理事長の梶浦恒男さんが「マンション管理組合連絡組織の果たした役割〜関住協、元気出して行こう」と題して記念講演しました。

 梶浦さんは、民間マンションの組合が入ったものとして全国で初めて生まれたのが関住協であり、現在、全管連に入っていないところを含めると25カ所ぐらいあり、このような連絡組織とその連合体がまとまって運動しているのは世界でも珍しく、例を知らないと前置きし、その役割と特徴点を述べました。

 梶浦さんは、区分所有者が総会で理事を選び、理事会を作り、管理会社に業務を委託する。理事長が管理者となり、理事会を月1回程度開いて管理を進めるというのが日本のマンションの一般的な管理形態になるまでの戦後の歩みを紹介しつつ、「この過程で一番大事なことは、管理組合の自主性、住民の自主性が育っていったことだ」と強調しました。

 さらに、管理適正化法と適正化指針でマンション管理の定式化(※)を行ったことは理事会方式で管理運営をしっかり行ってきた実績であり、マンション住民の努力が生み出したものであり、それをリードした管理組合連絡組織の功績だと、再度強調しました。

 現状の問題として梶浦さんは、管理会社主導、デベロッパーのイニシアチブが少しづつ進んでおり、デベロッパーとその系列管理会社が管理をリードしているところが増えてきたことだと指摘。「それで良い管理がなされ、良いマンションライフが作られたらいいが、住民の主体性がなくなるのはまずい」とし、「関住協の活動は、住民の主体性を育てていくという意義、役割があり、これはすばらしいことだ」と述べました。

 今後について梶浦さんは、北欧、とくにデンマークでは「住宅や住宅地は住んでいる人がその管理・運営に関わって、良い住空間を作っていくのが良い」とするユーザーデモクラシーが盛んだが、それを応用したマンションデモクラシーを日本で発展させたいとし、「関住協への参加の意義は具体的なメリットもあるけれど、大きく日本のマンションの今と将来のあり方を自分たちで育てていくことになる」と締めくくりました。

(※)マンション管理の定式化 @管理の主体は管理組合であるA区分所有者は管理組合の運営に関心を持ち、積極的に参加し、役割を果たすB管理組合の運営は開かれた民主的なことC規約は標準管理規約を参考に作り、共用部分と管理費用を明確にしておくD費用の経理は適切に行い、長期修繕計画を策定し、修繕積立金を積立てるE管理業務委託については基幹事務の再委託禁止、財産の分別管理、管理事務の報告、重要事項説明など法で定めている